健康な食生活は、現代社会の最大の関心事の一つで、ここ数年間に注目を集めた健康問題は、多岐にわたります。
食品の安全性を脅かす事件が相次いでいるのも事実です。
サルモネラ菌、大腸菌、リステリア菌などの言葉が、うんざりするほど耳に入るようになり、農業や飼育環境の悪化がもたらす危険性も。
かといって、私たちの食生活は祖先が当たり前のように実践していた大切なことを見直そうとはしていないのではと思います。
大切なことは、食物をバランスよくとり、食物の薬効を利用して健康を改善、維持していくことではないでしょうか。
最近は、さまざまなハーブが手に入りやすくなりました。
主菜となる肉や魚にハーブ、きのこ、果物、野菜を添えて食べると栄養面で優れているだけでなく、生理機能や健康状態が改善してきます。
それらの食材をご紹介していきたいと思います。
■血をキレイにしてくれる「紅花(べにばな)」
綺麗な色のお花が鮮やかですよね〜血行促進効果があるので冬にオススメの食材です。
古い血や汚れた血を溶かすといわれ、生理痛など婦人科系のトラブルを改善したい時によく使われます。
ということで、今日は「ベニバナ」をご紹介しますね。
学名:Carthamus tinctorius
和名:ベニバナ
別名:スエツムハナ(末摘花)
科名:キク科ベニバナ属/一年草、越年草
原産地:エジプト周辺
使用部位:種子、花
【特徴】
学名の「Carthamus」は、「染める」という意味のアラビア語からきている
エジプトの古代墳墓のなかから発見され、すでに栽培されていたことが証明された
日本には6世紀頃に朝鮮半島を経て入ってきたといわれ、『万葉集』にもベニバナを詠んだ歌がいくつもみられる
当時は、赤の色素を持つ花は珍しく、紫と並んで、古代染色のなかでも貴重な染料として貴族の女性たちの憧れの的だった
種子から作られる紅花油(サフラワー油)に含まれる脂肪酸の70%以上がリノール酸で、植物油のなかでは最高のもの
【作用・効能】
リノール酸には血液中のコレステロールを減らす作用があり、動脈硬化や高血圧、心臓病などの予防、浄血、血行不良の改善に役立つ
花を乾燥させた生薬の「紅花(コウカ)」でベニバナ酒を作れば、婦人病などに効果があるといわれる
【主な用途】
ベニバナ油はドレッシング、炒め物、揚げ物などに、花を発酵・乾燥させたものは食品の着色料として使われている
お米と一緒に炊いたりするサフランライスも有名ですよね〜
花は薬膳食材としてよく活用され、生理痛や生理不順などに効果があるとわれている
乾燥させたものをハーブティーにブレンドするのもおすすめ
【禁忌事項】
妊娠中の使用は控えてください。
明日も寒い季節にぴったりな「温性」の効果を持つ、美容効果抜群の薬膳食材をご紹介していきますね。