健康な食生活は、現代社会の最大の関心事の一つで、ここ数年間に注目を集めた健康問題は、多岐にわたります。
食品の安全性を脅かす事件が相次いでいるのも事実です。
サルモネラ菌、大腸菌、リステリア菌などの言葉が、うんざりするほど耳に入るようになり、農業や飼育環境の悪化がもたらす危険性も。
かといって、私たちの食生活は祖先が当たり前のように実践していた大切なことを見直そうとはしていないのではと思います。
大切なことは、食物をバランスよくとり、食物の薬効を利用して健康を改善、維持していくことではないでしょうか。
最近は、さまざまなハーブが手に入りやすくなりました。
主菜となる肉や魚にハーブ、きのこ、果物、野菜を添えて食べると栄養面で優れているだけでなく、生理機能や健康状態が改善してきます。
それらの食材をご紹介していきたいと思います。
今日は、疲労回復におすすめの薬膳食材のご紹介です。
学名:Lycium chinense
和名:クコ(拘杞)
別名:クコシ(拘杞子)、ジコッピ(地骨皮)
科名:ナス科クコ属/落葉低木
原産地:アジア東部、中国
使用部位:葉、実、茎、根、花
【特徴】
歴史は古く、3000〜4000年前から利用されている
中国の古典『神農本草経』にも記されている
クコの実は肝臓、心臓、腎臓、肺の熱を除き、虚を滋養する効能を持ち、不老長寿の効果があるといわれてきた植物
日本に伝わったのは平安時代、文徳天皇がクコを栽培する庭園を持っていたとの逸話もある
【作用・効能】
ビタミンB1、B2、Cの他に、ルチン、ベタイン、ゼアキサンチンなどが豊富
ルチンは血管を強化し、高血圧、頭痛、肩こりの解消に効果
ベタインは胃腸の働きを活発にするとともに脂肪の燃焼を促進し、肝臓に脂肪が溜まるのを防ぐ働きがある
血液を酸性からアルカリ性に変えるので、疲労回復に効果があると言われる
ゼアキサンチンには、疲労・倦怠感を解消し、眼精疲労、視力低下、白内障、緑内障の予防と改善の効果が期待できる
【活用術】
○食す主な用途
葉は、汁物の具材、天ぷら、お浸し、胡麻和え、煮物など
刻んだ葉と一緒に焚き込むクコ飯もある
一度サッと茹でてから乾燥させてお茶にしたり、生の新葉をジュースにもする
薬膳食材の中にはクコの実以外にも、まだまだ知られていない美容効果が高い食材がたくさんあります。
寒い季節にぴったりな「温性」の効果を持つ、美容効果抜群の薬膳食材をご紹介していきますね。